この記事では革製品の色褪せの原因、補修方法、予防方法、防止方法を体験談を交えながら解説していきます。
革製品の色褪せは時間の経過につれて避けて通れない問題ですが、正しいケアと補修方法を知ることで本来の美しさを取り戻すことができます。
革製品の色褪せの原因
ここからは革製品の色褪せの原因を一つづつ見ていきます
紫外線(UV)
革製品が長時間直射日光にさらされると、紫外線が染料の化学結合を破壊して色が褪せます。紫外線の影響は表面だけでなく内部にも及び、素材全体が劣化する原因になります。紫外線は染料の分子構造を変化させ、素材の色の鮮やかさを失わせます。特に屋外でよく使用する革製品や窓際に置いてあるものは影響を受けやすいです。
摩擦
バッグや靴のように日常よく使用する革製品は、他の物と頻繁に接触し摩擦が生じます。この摩擦により表面の染料が物理的に削り取られ色褪せが進みます。特にバッグの底や靴のつま先、洋服の袖口や襟足など他の物と良く触れる箇所が色褪せます。摩擦による染料の剥離が原因です
水分と湿気
雨や汗などの水分が革に染み込むと染料が溶け出し、変質することがあります。水分は革の内部に浸透して染料を不均一に広がらせ、色むらや色褪せをおこします。
また、湿気が高い環境では革がカビやすくなり、カビによって染料が劣化することもあります。湿気が染料を劣化させ革の質感を損ないます
科学薬品
革専用でない一般的な洗剤や強力な化学薬品、特にアルカリ性の洗剤は革の染料が分解される原因となり、染料を破壊し色を薄くしてしまいます。それらの化学薬品は短期間で染料に影響を与え、色褪せを急速に進行させることがあり、これにより革の劣化が早まるリスクが高まります
以上4つの要因(紫外線、摩擦、水分と湿気、科学薬品)が原因で革製品は時間とともに色褪せていきます。直射日光を避ける、適切な防水対策、革専用のケア製品を使うことで色褪せを防ぐことができます。
色褪せた革製品の効果的な対応
ここからは色褪せた革製品の対策方法を紹介していきます。
革用染料を使用
1. 革用染料を選ぶ:色褪せた部分に合った革染料を選びます。色見本を照らし合わせて、元の色に近い染料を選びます。「染料」と「顔料」があるのでそれぞれの特徴をよく把握して使用しましょう。
2.塗布前の準備:革製品の表面を清潔にして乾燥させます。汚れや油分が付着していると、染料の定着が悪くなります。注意しましょう。
3.柔らかい布かスポンジを使って、染料を薄く均一に塗ります。染料が乾燥するのを待ちます。一度で均一な色合いが出なかった場合はもう一度染料を薄く均一に塗ります。自分が希望する色合いになるまで、必要に応じて複数回重ね塗りをします。
革用クリームやバームの使用
軽く色褪せしている場合は革用クリームや革用バームを使用することで色を回復させることができます。どちらもできれば革製品を購入する際に同じショップで購入することをお勧めします。
革用クリームの使用:クリームを柔らかい布に取り、優しく革に塗り込みます。保湿効果もあるので革の柔軟性を保つことができます。
革用バームの使用:革用バームは色の補修と同時に保護効果もあります。革用バームの成分にはビーズワックスとホホバオイルが含まれています。このような油分を使い始めに何度か塗り、染み込ませることで水が弾きやすくなります。そのため、使用前の水への抵抗力がない革に効果があります。レザーバームは革靴や鞄などの水に濡れやすい状況で使用する製品に利用すると良いでしょう。使用方法は革製品全体に均一に塗り込み、よく乾燥させます。
プロに頼む
貴重な革製品や自分が大切に思う革製品など、自宅での修復が困難な場合は革専門の修復業者に頼むことも考えてみましょう。プロの技術で革製品本来の艶と手触りが蘇ります。
色褪せの予防方法
ここからは大切な革製品の色褪せを予防する方法を解説していきます。色褪せに限らず革製品を長く使用していくために共通する項目になります。
防水スプレーの使用
革のお手入れで欠かせないのが防水スプレーです。水分や汚れを回避することはなかなか難しいため、水分や汚れが付いても軽い処理で済むようにしたいものです。そのためには最初から薄い膜を革製品に作っておきましょう。そのために防水スプレーを人拭きすることをお勧めします。
直射日光を避ける
革製品の保管で大切なことは直射日光を避けることです。これは革製品に限ったことではないのですが、やはり直射日光は色褪せや変色の大敵です。革製品を保管する場所は涼しく乾燥する場所を選ぶようにしましょう。
定期的なメンテナンス
革製品で一番重要なことは普段の手入れです。革用クリームやコンディショナーを使って乾燥を防ぎ革の状態を良好に保つことで色褪せも同時に防ぐことができます。
まとめ
やはり普段の手入れが特に大切になります。
・紫外線
・摩擦
・水分と湿気
・化学薬品
・革用染料を使用
・革用クリームやバームの使用
・プロに頼む
・防水スプレーの使用
・直射日光を避ける
・定期的なメンテナンス
私自身、革製製品が好きでいくつか持っています。持ち始めの頃はショップの店員さんに言われたとおりに手入れをしていましたが、時間の経過とともに手入れを忘れがちになり、カビを発生させたり、色褪せも「仕方がない」とあきらめていましたが、年を重ねていくうちにそれは自分が手入れを怠っているからだと気づくようになりました。
自分の身体を労わるように革製品を労わるようになるとより革製品への愛情が増し、自分の生活自体に潤いが生まれるようになっていきました。
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