この記事では、高校野球甲子園大会でアナウンスを担当するウグイス嬢になる方法について解説していきます。
甲子園では、開会式・閉会式を担当するウグイス嬢と試合中のアナウンスを担当するウグイス嬢がいます。それぞれなるための資格や方法が違いますので、分けてご紹介します。
試合進行ウグイス嬢になるための3つの手順
甲子園事業部に採用される
甲子園などの大きな大会でウグイス嬢を担当するには、「阪神電鉄甲子園事業部」の運営担当(放送)に採用される必要があります。
発生練習と基礎訓練
一方、高校野球では定められているマニュアル原稿に沿ってアナウンスを行ないます。
具体的には選手名は名字に「君」をつけて呼び、同じチームに同姓の選手がいる場合は、フルネームでアナウンスをしたり、言葉のアクセントや試合前、試合中のバッターコールや選手交代など、シーンによって例文や台本が決められています。
ウグイス嬢としての基本は、ハッキリとしていて、聞き取りやすい声を持っている、ことが大切です。まずは発生練習をします。正しい発音やイントネーションを身につけます。これには、腹式呼吸や早口言葉などの活舌の練習も含まれます。
高校野球では、決まったマニュアル原稿に沿ってアナウンスが行われます。具体的には、選手の名前に「君」を付けて呼び、同じチームに同性の選手がいる場合は、フルネームでアナウンスします。
言葉のアクセント、試合前や試合中のバッターコールや選手交代など、シーンごとに例文や台本が決められているので、スムーズに読み上げる練習が必要です。
実戦経験を積む
次に、実際の試合での経験を積むことがとても大切です。学校の行事や地域のイベントなどでアナウンスを担当し、経験を積むことでスキルを磨きましょう。特に高校野球の地方大会でウグイス嬢を体験できれば、積極的に参加しましょう!こうすることによって、試合の進行などを肌で感じることができ、選手交代などのタイミングを掴むことができるようになります。
専門的なトレーニングを受ける
最後に、甲子園の大会でウグイス嬢を務めるプロのアナウンサーや実際に甲子園でウグイス嬢をしている人から、直接指導を受けることで、より専門的で高度な技術が身につきます。
開会式、閉会式のウグイス嬢になる方法
甲子園大会では、春の選抜と夏の甲子園大会では開会式・閉会式を担当するウグイス嬢(司会)になるための条件・方法が異なります。
春の選抜大会
開会式は、NHK全国高校放送コンテスト・アナウンス部門の優勝者と、同じくNHK全国放送コンテスト・朗読部門の優勝者の2人が担当します。
閉会式は、同アナウンス部門の準優勝者が担当します。
2024年の選抜大会で司会を務めた高校をご紹介します。
開会式は長崎県立諫早高校2年の古賀美希さんと、岐阜県立岐阜北高校2年の古田桃香さんです。
閉会式は鹿児島純心女子学園2年の竪道(たてみち)夕夏さんです。
また、開会式の国家独唱を務めたのは、島根県立松江北高校3年の門脇早紀さんです。
夏の甲子園大会
1997年の第79回全国高校野球選手権大会から高校生が司会を務めるようになりました。
この年は地元兵庫県の高校生男女2名が務めています。
そしてその後現在に至るまで、夏の甲子園大会の司会は全て兵庫県の高校生が務めています。
2024年の開会式は、武庫川女子大付属高校3年の成相(なりあい)心晴(こはる)さん、兵庫県立小野高校3年の山口彩葉(いろは)さん。
閉会式は、兵庫県立小野高校3年の藤本萌花さんと、武庫川女子大付属高校2年の竹内舞桜(まお)さん。
NHK杯全国高校放送コンテスト兵庫県大会の成績などを参考に、日本高等学校野球連盟(高野連)が決定し、選抜されました。
今年も兵庫県立小野高校から2人選ばれていますが、小野高校は過去の甲子園でも圧倒的な割合で選ばれています。
小野高校の放送部は、NHK全国高校放送コンテストで優勝6回、準優勝4回という素晴らしい成績を残しています。
ウグイス嬢になるのは厳しい
高校野球のウグイス嬢の定員は2~3名で、欠員が出ること自体珍しく現在のウグイス嬢の人たちは、球場で売り子のバイトをしたり、広報担当として働きながら欠員待ちをしている現状があります。
また、誰でもウグイス嬢になれるわけではなく、アナウンスに必要な活舌の良さ、発声の良さも求められます。
特に甲子園のウグイス嬢はイントネーションが独特なことが知られています。これは、イントネーションが関西弁由来で、ずっとその伝統を守っている、ということです。
また、スコアを付ける能力も求められるため、野球のルールを勉強する必要があります。
ウグイス嬢になるのは狭き門です。
実は私も選挙カーに乗って、ウグイス嬢をした経験があります。
当時、結婚式の司会の勉強をしていて、教えていただいていた先生から「人手が足りないから」という理由で頼まれました。
はじめての経験で、練習する時間もないということでぶっつけ本番。躊躇している私にすかさず、
「少しだけど、日当も出るから!」という先生の声。
「日当」という言葉に惹かれたのですが、スケジュールも気になりました。スケジュールを確認すると朝の8時から夜の20時までという長丁場でした。さすがにそんなに長くお手伝いすることはできず、17時くらいで帰れるようにスケジュールを組んでいただきました。
自分がマイクを持っている以外は、ずっと車の中で手を振っていなければいけません。トイレにもすぐに行ける訳ではありません。ウグイス嬢って思ったよりキツイ仕事かもしれません。
私が乗ったのは寒い時期でした。窓を開けて手を振るので、カイロを貼るなど、寒さ対策だけして行ったのですが、思っていたほど寒くはありませんでした。夏の時期の車内を考えると、夏の暑さや日差しの方が大変かもしれません。
私の声は聞き取りやすい、通る声ではなく、籠っていて活舌も悪く、聞き取りにくい声です。
「えっ?!じゃあ、どうして結婚式の司会なんかやろうと思ったの?」と思われるかもしれませんんね。
それは、私の声を聞いて「いい声しているね。」、と言われたことがあるからです。今考えてみると、それ以外に褒めるところがなかったからかもしれませんが、やはり、褒められるとうれしいものです。ちょっとしたおこずかいを稼ぐのに、コンビニのアルバイトよりも自分にスキルを付けた方が良いと思ったからです。
さて、当日、車に乗り込んで、いざ出発!
最後の方に2時間ほどマイクを持たせていただきました。私なりに感情をこめて、できるだけ声を張って、一生懸命「候補者に清き一票を!!」と住民の皆さんに訴えてみるのですが、一緒に乗ってる同じウグイス嬢の先輩たちから、「もっと感情を込めて!」と何回か注意されました。先輩たちからするとなんとも酷い状態だったのでしょう、それ以来、一度もお誘いはありません。
ちなみに日当は、いくらだったのかハッキリ覚えていないのです。
ウグイス嬢と呼ばれる理由は美しい声の野鳥から
「ウグイス嬢」とは野球場だけでなく、選挙カーや格闘技のアナウンスを担当する女性アナウンサーのことを言います。
そもそもなぜ「ウグイス」なのでしょうか?
時代は遡り、1947年。
当時、野球の試合でスポンサーの広告放送をする、ということでNHK職員の青木福子さんが採用されました。
その時、男性よりも柔らかな声の方が良いのではないか、ということになり女性の声の方が響きが良い、ということで女性が選ばれました。
当初はスポンサーの広告収入を得るためのアナウンスでしたが、青木福子さんのアナウンスが好評だったため、他の球団からも注目を集め、現在のような場内アナウンスになっていきました。
そして、美しい声で仲間を呼び寄せる野鳥のウグイスに由来して「ウグイス嬢」という呼び名が付きました。
よく通って聞き取りやすく、「鈴を転がすような声」の人っていますよね!本当に羨ましいです。
でも、逆にせっかくきれいな声をしていても、話している内容が人の悪口だったり、不平不満ばかりだと、よけいにがっかりしてしまいます。もったいないな、って思います。
結婚式の司会の勉強は、途中で投げ出してしまったのですが、それに拘らずボイストレーニングを受けてみたいなぁ、って改めて思いました。
余談ですが、ウグイス嬢には男性もなることができるようです。
男性の場合はウグイス嬢ではなく、「スタジアムD」と呼びます。
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